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エア切れの対処法としてぱっと思い浮かぶのがオクトパスを使ったオクトパスブリージングではないでしょうか。もしかすると、実際に行った経験のある人もいるかもしれません。
オクトパスの出番などは無い方が良いのですが、使う機会が無いからこそ、いざという時に焦らずに対応できるようにしておきましょう。
オクトパスを使う前に
まず、絶対にエア切れにならないダイビングをするという前提があります。残圧計をこまめにチェックして、残圧が100を切ったあたりで、ガイドやバディに申告しておきましょう。国内ではガイドも何かとフォローをしてくれるはずですが、自分の安全に関する情報は自分から発信するようにした方がいいですね。残圧の申告が適切なタイミングで行われていれば、ガイドもコースやプランを修正することが出来ますので、普通の方法で浮上やエキジットが出来ます。
ダイビング中盤に残圧10でガイドに申告した等、どう見ても通常のエキジットが出来ない場合は、その場で浮上することになります。その際は安全停止が出来ない場合もありますし、水面は波が立っている可能性もあります。水中でのエア切れこそ回避できますが、また別のリスクを負うこと(時には一緒に潜ったチーム全員が)を認識しなければなりません。
オクトパスブリージングのやり方
上のような前提のもと、どうしても使わなければならない場合にのみオクトパスが登場します。主に次の2パターンが考えられます。
- 普通に浮上するには、残圧が少な過ぎる。なおかつ、バディやガイドが近くにいてオクトパスをすぐに渡してくれる。その後浮上。
- 1人のダイバーにエア切れの可能性があり、ガイドやバディが早い段階でオクトパスを渡し、オクトパスブリージングをしながらエキジット地点へ向かう。
マニュアル等で解説されているのは1.のパターンですが、先程も上げたように、浮上に伴うリスク(水面の波等)もあるため、より安全を確保してエキジットまで行ける2.のパターンがより実践的です。出来るならオクトパスブリージングをする状況は避けなくてはいけませんが、実際に必要な場合は、より安全な方法で行うべきでしょう。
では実際のやり方です。オクトパスを渡す人がA、もらう人(エア切れになった人)がBとします。
- Aは自分の左側にあるオクトパスを取る。クリップでBCDに引っかけておくと、とっさの時にもすぐに見つかります。
- AはBのBCDの肩辺りを持って離れないようにする。
- AはBにオクトパスを渡す。焦って渡す向きが上下逆さまになっていないように注意。
- Bは必ずオクトパスを手に受け取ってから、自分のレギュレーターを外す。呼吸源が手元に無い状態にならないように。
- Bはオクトパスをクリア。
- OKのサインやアイコンタクトで確認をして移動、もしくは浮上。お互いのBCDをつかんで離れないように。オクトパスだけで2人が繋がっているのは危険です。
大切なのは焦らず、落ち着いて行う事。その意味でも、ギリギリではなく、ある程度残圧に余裕があるうちにオクトパスブリージングに切り替えた方が良いと思います。
インストラクターはまず大丈夫なはずですが、バディ潜水を行う一般ダイバーはやり方を定期的に確認しておいて欲しいですね。
ただし、実際のエア切れの現場では、悠長にオクトパスブリージングの手順を行う余裕など無いケースもあるという事も知っておきましょう。
また、ダイバーがエア切れを起こすと、それが大事に至ろうと至るまいと、引率のガイドが批判されることが多いのが実情。体験ダイビングや講習、初心者のファンダイビングであれば、安全管理はガイドの仕事と言えますが、一般のファンダイビングに関しては、ダイバーの自己管理も大事ですので、残圧の把握がガイド任せにならないようにしましょう。