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初心者ダイバーのうちは、波やうねりといった海の環境に体が慣れていないため、ダイビング中に水中や水面で揺られて酔ってしまう人も多いです。
この状態を波酔いと言いますが、気分の悪さは当事者にとってはかなり辛いもので、ダイビングが嫌いになりそうな瞬間でもあります。
ここでは、波酔いの予防法や、いざという時に上手く吐くテクニックを紹介します。
考えられる原因
波酔いの原因は冒頭でも挙げたように、海の自然現象である波とうねりです。
特に水面から水深2mくらいまでの浅場は揺れが大きくなることもあり、波酔いを起こしやすい場所です。長めの距離を水面移動する時や、水深1m前後の浅場を水中移動する時に、波で体が揺られ気分が悪くなってしまうケースが多いですね。台風の前後など、うねりが大きくなっている時には、特に波酔いダイバーが増加します。
本格的に酔ってしまうと、水深を変えたり揺れの無い場所に行っても、気分の悪さはなかなかおさまりません。
稀にですが、ほとんど波の無い、穏やかなコンディションの海でも酔ってしまう人もいます。ゆるーい揺れの方が気分が悪くなってしまうパターンもあるという事です。
また、体調が悪ければ、それだけ気分が悪くなる確率も上がるのは言うまでもありません。
波酔いの原因
- 波とうねり
- 長い水面移動
- 長い浅場の移動
- 体調不良
対処法
アルコールでも乗り物でも、あらゆる酔いに効果的なのは吐いてしまう事です。波酔いも例外ではありません。
ただし、ダイビングに関しては水中という特殊な環境になるので、ちょっとしたコツと勇気が必要です。
水中で吐く方法として挙げられるのは次の三つ。
- レギュレーターをくわえたまま吐く。
- マウスピースを口から半分出し、レギュレーターをフローさせながら吐く。
- レギュレーターを外して吐く。
1.は波酔い未経験者にとってもハードルが低い方法です。何よりレギュレーターをくわえていられるのが安心です。
ただし、当然ながらレギュレーターの中に吐しゃ物が入るので、パージボタンでしっかりクリアしてやる必要が出てきます。また、パージボタンを押したとしても、セカンドステージ内部に吐しゃ物が残ることはあります。最悪の場合には、内部に詰まって空気を遮断する可能性も無くは無いですので、すぐにオクトパスをくわえられるようにスタンバイしておきましょう。
なお、吐いている時にレギュレーターまで口から出そうになることもあるので、レギュを抑えながら吐くのがポイントです。
2.が出来るのであれば、これが一番おすすめの方法です。Cカード講習でフリーフローレギュレーターからの呼吸を教わっている人も多いと思いますが、あれと基本的には同じ要領ですね。
パージボタンを軽く押しっぱなしにしておけば、マウスピースの片側しかくわえていなくても呼吸が出来ます。呼吸のための空気を出しながら、マウスピースを離した隙間から吐いてしまいましょう。
複雑に思われそうですが、呼吸を確保した状態で、なおかつレギュレーターを詰まらせるリスクも無しに吐くことが出来る、とても便利な方法なのです。
3.に関しては、レギュレーターを口から外す点が安全上あまりおすすめできないのですが、レギュレーターには負担をかけない方法です。
吐しゃ物を出しきった後に苦しくなるはずですので、すぐにレギュレーターをくわえ直してパージボタンを押しましょう。
もちろん、水面であればレギュレーターやスノーケルを外して普通に吐いてしまいましょう。波が高い場合には、安全のためレギュレーターをくわえた状態で上記1.-3.の方法を選択して下さい。
また、ダイビング中に吐くという行為は、ぶっつけ本番になる場合がほとんどのはずですが、2.については吐く部分以外は練習が出来ると思います。練習やイメージ作りをしておいた方が、いざという時には心強いですよ。
予防法
波酔いは一度始まってしまうと、吐くまであまり持ち直しません。つまりは予防するのが一番ということです。
それにはまず、ダイビングをするロケーションがとても大事。浅場が長く続く場所で波に揺られ続けると、潜降するまでに酔ってしまう事もあるでしょう。
場合によっては、ガイドに相談をしてポイントやコース取りを配慮してもらうことも必要です。ガイドとしても一般的な安全面から、波やうねりの影響が強い場所は避けたいはずです。浅場の揺れが大きい時は、水深5mくらいまで早めに潜ってしまえると楽になりますね。
他には、波酔いしそうな気配があったらダイビングを早めに切り上げるのも一つの方法です。もしくは、波やうねりがある場合、始めから潜らないという選択肢も安全上ありだと思います。
そして、ボートダイビングの船酔い対策と同じですが、睡眠時間や食事など生活面での摂生も、船酔いに強い体調作りに役立ちます。
波酔いの予防法
- ダイビングのコース取りを工夫する
- 酔う前に上がる
- ダイビング自体を控える
- 体調管理