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ダイビングインストラクターの仕事は、各ダイビングショップの所在地(都市型、現地、国内、海外etc.)や勤務形態(常勤・非常勤)、そして各個人の経験、役職などによっても変わってきます。それはどの職業でも同じですね。
インストラクターを志す人たちにとって、実際の仕事のイメージをつかむことも、モチベーションになるかもしれません。
ここでは1つのモデルケースとして、現地のダイビングショップに常勤で勤務するインストラクターの一日の流れを紹介します。例に挙げるのは、勤務3,4年目くらいの中堅インストラクターのスケジュールとしましょう。ショップはオーナーの下、5~8人くらいのスタッフがいるとお考えください。時期は繁忙期でも閑散期でもない頃と設定します。
朝-開始業務-
7:30 出勤
ダイビングショップの朝は早いと思われがちですが、サラリーマンと比べると少し早いくらいで、毎日早朝からというわけではありません。ただ、早朝ダイブのご予約をいただいている日などは5時頃出勤というケースもあります。
7:45 ミーティング
その日の天候や海況、潮汐、ゲストの顔ぶれなどを踏まえた上で、1日の業務の流れを確認します。各チームの本日の行先や前日からのゲストとのやりとりなど、情報の共有なども行われます。前日までに各スタッフの担当(コースやゲスト)は決まっていることがほとんどです。
8:00 準備・送迎
スタッフごとに手分けして、準備業務を行います。
- ダイビング器材や車、その他の荷物(飲み物、昼食など)の準備。
- 数人は港に先発して、ボートの始動前点検。
- ホテルや民宿へゲストのお迎え(送迎を行っているショップの場合)。
8:30 ゲスト来店
ダイビング前にゲストが来店するタイプのショップの場合は、ゲスト来店後にチーム分けを伝え、体調チェックや今日のダイビング概要の案内を行います。その後、ゲスト自身にも着替えや準備に入ってもらいます。
(※朝はゲストが来店しなかったり、体験ダイビングやシュノーケリングは現地集合プランになっているケースもあります。沖縄の離島などでは、朝の送迎はショップを経由せず、直接ボートの泊まっている港へ向かうことも多いです。)
9:00 出発・出港
ビーチでのダイビングを行うチームは車で現地へ出発。ボートでダイビングを行うチームは車で港へ向かい、ボートで出港。ロケーションによっては車を使わないことも。
日中-ダイビング業務-
ここからは海での業務になりますが、ボートでファンダイビングのガイドをする場合を例として紹介します。
9:30 ファンダイビング一本目
ポイント到着までに、実際の沖の海況を見た上で、1日のダイビングプランを再度確認します。担当するゲストはもちろん、時間があれば他のチームのゲストともコミュニケーションを取り、一人一人の様子や、船全体としてのリクエストを把握しておくと良いですね。
ポイント到着の少し前から、アンカリングやブイを取る準備、役割分担。到着後はブリーフィングをして、エントリー。
10:30 休憩
アンカーを回収し、ブイを外します。基本的にこれから来る他のショップのために、潜り終わったポイントは空けてボートを移動。次のポイントで休憩をするケースが多いです。
コンプレッサーを搭載したボートであれば、休憩中にタンクチャージを行うことも。ゲストとのコミュニケーションも欠かせません。
11:30ファンダイビング二本目
海況や天候に予想外の変化が無ければ、予定通りのポイントで二本目エントリー。
13:00 帰港・昼休憩
二本で終了するゲストの下船のため、一度帰港。ゲストをお送りします。(※地域や時と場合によって一日中港から出っ放しの場合もあります。)
自分の昼食は早めに済ませ、ゲストが船内や港、その近辺で昼食を取る間、タンクチャージや午後のダイビングの準備になります。
14:30 出港
到着日等で午後から参加のゲストがいる場合には送迎をし、合流後、出港します。
15:00 ファンダイビング三本目
海況や天候に予想外の変化が無ければ、予定通りのポイントで三本目エントリー。
16:30 帰港
全てのダイビングが終了し、帰港。器材やタンクを陸上へ揚げます。ボートの点検整備や給油も行います。
夕方-終了業務-
17:00 片付け
ゲストとともにショップに戻り、ゲストに器材洗いや着替えの案内をします。その間に、船から持って帰ってきたタンク等の荷物を片付けます。
17:30 ログ付け
店内スペースでログ付け。(※地域によってスタイルが違い、宿でログ付けをしたり、夕食後に再集合してログ付けをすることもあります。)
ゲストとの会話から本日の反省点や翌日の要望を拾っておくと良いです。
18:30 送迎・翌日の準備
スタッフで手分けをして終了業務をします。
- 送迎
- タンクチャージ
- メール処理
- 翌日のチーム分け等の段取り
19:00 ミーティング後終業
ミーティングで本日のゲストや海の情報を報告・共有し、翌日の予定も合わせて把握します。
また、場合によって残業も行います。個人の器材のメンテナンスなどは残業して行うことが多いです。
補足とまとめ
ここまで、標準的なダイビングインストラクターの業務を挙げてみましたが、チーフクラスのスタッフであれば、現場でも船長などの管理業務が多くなります。
また、本当はもう少し分業して行う場合もあると思います。例えば、全てのスタッフが海へ出るのでは無く、陸番を置ける場合はメールや電話の受付業務は分業できます。
他には、実際のダイビング業務のところはゲストが目にする機会も多いので、それ以外の業務をやや細かく挙げてみました。ダイビングショップ勤務のインストラクターはダイビングばかりしてそうなものですが、ダイビング以外の時間が圧倒的に長く、陸上での業務がいかに大事かを分かっていただきたいと思います。
そして当然、上に挙げた業務の内容は多くのショップに当てはまる最大公約数的なものなので、それぞれの地域やショップによって雑務もたくさん出てくるはずです。地域やスタイルが同じダイビングショップでもカラーは違いますし、求められるスタッフ像も違うでしょう。
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