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ダイビングの世界には、「これってアリなの?」と思わせるようなグレーゾーンな部分もあります。
例えば、餌付けなどは賛否両論が分かれますよね。答えは出にくいところですが、ここではそんなグレーな話題に踏み込んでみたいと思います。
餌付け
体験ダイビングやスノーケリングツアーでは、餌付け(フィーディング)が定番にもなっています。しかし、海の世界に第三者である人間がエサを持ち込むことで、生態系のバランスを崩したり、生物が本来の習性を失うことが心配されています。それが、添加物いっぱいのソーセージなんかの場合、なおさらですよね。
ただ、餌付けの持つエンターテイメント的な魅力は絶大で、特にノンダイバーにとっては感動的な体験となります。がっつりファンダイビングをメインにしているショップならば別ですが、ノンダイバーも重要なターゲットにしているショップにとっては、餌付けが大事な集客手段であることも事実なのです。
その結果、餌付けが一斉に禁止にでもならない限り、率先して「ウチはやりません」と言うショップが増えていくとは考えにくいのが現状です。
また、日本国内はもちろんのこと、環境保護の先進地域である海外でも、一種のショーのような扱いで餌付けが行われていますよね。例えば、人喰いザメとして知られるタイガーシャークですが、フィジーでは餌付けされているのです。
このように、ダイビング業界のエントリーレベルでは餌付けがかなりポピュラーなため、環境意識が高いダイバーでも、過去に餌付けを体験したことがあるという人はいるはずです。皮肉なことですが、ダイビングに興味を持つ人が増えるのには、餌付けもだいぶ貢献していると思うのです。
結論を言えば、餌付けはダメでしょう。ただそれでも、餌付けがダイビングビジネスの中で占めるウェイトは大きいため、すぐに無くなることはありません。地域レベルで環境保護を訴え、餌付け行為を禁止していくなどのアプローチが必要だと思います。
スピアフィッシング(魚突き)
スピアフィッシングとは、モリやヤス、水中銃といった道具を使って、魚を突く遊漁法です。ダイバーからすると、何だか乱暴で、魚がかわいそう…というイメージを持たれることも多いと思います。
しかし、スピアフィッシング自体は多くの自治体で遊漁法として認められており、一定の市民権を獲得しているのも事実。スピアフィッシングの最終的な目的は魚を食べることで、つまりゴールは普通の釣りと同じですからね。あくまでレジャーの範囲であれば、許されているわけです。
ダイバーの間では、「水中環境や生物に出来るだけダメージを与えない」という原則が浸透しているので、魚を大胆に傷つけるスピアフィッシングには、どうしても抵抗を持ってしまう人が多いのでしょう。
それでも、私たちだって実際に今までの人生で、プロの漁師さんがモリで突いた魚を食べているかもしれません。確かに突かれる魚はかわいそうですが、これはもう別物として考えるしか無いでしょう。ダイビングとスピアフィッシングでは目的が違いますし、どちらが高尚な趣味だとか言う話ではありません。
ただし、漁業者では無い一般人に認められているのは、「素潜り(スキンダイビング)」によるスピアフィッシングです。スクーバダイビングでのモリやヤスの使用は潜水漁業になり、漁業権の無い一般ダイバーにとっては絶対NG。
なお、ダイビング中にサザエやアワビを拾ってくるのも、法律上は密漁ということになってしまうのでご注意ください。
化粧&日焼け止め
これをグレーゾーンと言ったら、女性ダイバーに怒られてしまうかもしれませんね。ただ、本来海には無い油や化学物質が、化粧や日焼け止めを塗ることで流れてしまうのは事実です。
実際のところ、環境に対する意識が高い人は、ダイビングの時はすっぴんで、休憩中も日焼け止めは使わず衣服や帽子で対応しています。
しかし、化粧に関しては人それぞれに価値観がありますし、ある程度の身だしなみを整えることもマナーの一環と考える人もいるでしょう。また行き過ぎた日焼けは火傷になるため、日よけの有無などの状況とも相談して、日焼け止めも使わざるを得ない場合だってあるはずです。
ひとまずは、化粧や日焼け止めが少なからず環境に影響を与えるということを皆が理解しつつ、TPOに合わせて使っていくことが、落としどころじゃないかと思いますね。