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ダイビングのみならず、全ての自然フィールドでのアクティビティがハイレベルなのが西表島です。
島の面積の約90%が、いまだに人の手が入ったことが無い原生林で、イリオモテヤマネコを頂点とする独特の生態系を作り上げています。
その豊かな自然は、やはり豊かな海を作り出し、感動的なダイビングシーンを演出します。
海の魅力
西表島の海の魅力は、生物層の豊かさと、環境の保存状態の素晴らしさにあります。
豊かな森が栄養分を作り、川とマングローブがそれをさらに豊かにして海へと運びます。陸から海へと流れた栄養分が、世界でもトップクラスと呼べるサンゴ礁を作り、多種多様な生物を育てていくわけです。
国内では西表くらいでしか確認されていない魚もおり、また通常ダイバーが入ることが少ない汽水域でのダイビングも積極的に行うので、ベテランさんでも初めて見たという生物がたくさん出てくるはずです。そして、西表島は大物の海としても知る人ぞ知るエリア。特に島の南西に位置する仲之御神島(なかのおがんじま)は、潮の速さと大物出現率の高さで、国内有数のビッグポイントと言えるでしょう。
また、西表島には空港がありません。石垣島から定期船を使わないとアクセスが出来ず、そのため、ダイバーを含め観光客の数が一定の範囲に収まっているのです。それが良い方向に働き、海がきわめて自然の状態に保たれているのかもしれません。
なお、西表島の中で中心地と言える集落は、ともに定期船の入る港を抱える北の上原地区と東の大原地区です。
ダイビングショップは、上原港からアクセスしやすい島の北側と西側に位置しており、ダイビングポイントも必然的に島の北から西にかけてが多くなります。
北側
島の北側に船を置くショップの主戦場です。
サンゴの欠片で出来たバラス島の周辺や北に浮かぶ鳩間島周辺でのダイビングが主になります。サンゴの密度や魚の群れ方がとにかく華やかで、西表島に来たのなら是非潜りたいベーシックエリアです。
西表独特のマクロ生物が見られるポイントや、沖合にはドリフトダイビングで大物が狙えるポイント・トカキン曽根があります。
西側
島の西側に船を置くショップが主に潜るエリアです。
西表島はどこの地区も静かなのですが、北側と比べてもダイバーが少なくなるのが西側の海。サンゴ礁の規模や地形のバリエーションが多様化し、雰囲気はより原始的にダイナミックになります。
西側のエリアは船浮湾・網取湾・崎山湾の3つの湾から構成されます。湾の奥が深く、より内湾性の環境が楽しめる船浮湾、それよりやや湾口が広く、明るい白い砂地が目立つ網取湾、透明度とサンゴ、ドリフトで大物も狙える崎山湾と表情が豊かです。
南側
島の南側は現存する集落が無く、道路も通っていないエリア。島の南西部に位置する鹿の川湾周辺がメインのダイビングポイントになります。
鹿の川のエリアは、西表島の中でもマンタの遭遇率が高いのが特長。特にお隣の石垣島でマンタが見られていない時には、鹿の川にマンタが集中していることも。狙い目は春と秋です。
なお、島の南側を潜るショップは多く無く、西表島全域をフィールドにしているショップであればコンスタントに狙うことが出来るでしょう。
仲之御神島
通称オガンの名で知られる国内有数の大物ポイント。流れの速さと豪快な地形のために、見られる魚も求められるスキルもレベルが高く、ベテランダイバーでさえも緊張感を強いられることが多くなります。
ショップが経験本数の制限を設けている場合がほとんどで、スムーズなヘッドファースト潜降や中性浮力は必須スキルになります。難易度が高いだけに、潜れたことに感動すら覚えるポイントでしょう。
移動時間が長くなり、また潜る人を選ぶ海であるが故、積極的には潜らないショップも多く、オガンを希望する場合は事前のショップ調査も必要です。
スケジュールなど
潜るポイントが港から近い場合には、昼休みに一度港に戻ることもありますが、一日中船の上で過ごすこともあります。船上休憩の場合は、穏やかな湾内などに船を移します。
ボートの大きさは大型から小型までありますので、快適性や遠征を希望するなら大型船を所有するショップを選ぶと良いでしょう。
また、西表島に関しては宿のダイバー受け入れ態勢が整っており、器材洗い場が設置されていることがほとんどですので、宿と港の間を送迎し、夜のログ付け時のみショップへ立ち寄るスタイルが多いです。
ダイビングの難易度
ダイバーの比率
初心20% 中級者50% 上級者40%
ダイビングポイント自体はやさしく潜りやすい場所も多いのですが、島自体のアクセスが良くないため、なかなか初心者ダイバーが集まりにくいのが現状です。
中級者以上でも、サンゴが美しいポイントでは、サンゴを蹴ったり触ったりしないよう、高いモラルを持って潜りたいところです。
また、ショップによってはドリフトダイビングをすることも多いため、ドリフトは初めての人も、ヘッドファースト潜降やジャイアントストライドエントリーはマスターしておきましょう。
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代表的なダイビングポイント
仲之御神島・東の根

オガンを象徴するようなポイントが東の根です。水深50m付近から真上にそびえたつビルのような根の上で、流れに負けないように岩につかまりながら、回遊してくるイソマグロなどをウォッチングします。体長1.5mを超えるイソマグロが速い流れの中で群れる姿は圧巻ですよ!
時にダイバーが潜れないほどに潮が速くなるダイビングポイントで、難易度が高めなのですが、スキルを磨いてチャレンジする価値が充分にあります。
また、東の根自体が豪快で迫力があるので、潮の流れが弱い時には地形を楽しむダイビングも可能です。ちなみに、過去にはタイガーシャークやジンベイザメも目撃例がある超ビッグなポイントなのです。
見られる生物

西表ならではと言う魚では、マンジュウイシモチやネオンテンジクダイ、ニチリンダテハゼ、ギンガハゼなどが人気の高いところですが、他にもマニアックな生物がたくさん。
そして大物ではイソマグロやバラクーダ、ギンガメアジ、ロウニンアジ、ナポレオンフィッシュ、カンムリブダイ、マンタなどが狙えます。ウミガメは基本的にどこで潜っていても出会う可能性はあるでしょう。
また、質・量ともに素晴らしいサンゴにも注目したいところです。
陸上の楽しみ方
ネイチャーアイランドである西表島では、陸上でもやはりアウトドア系のレジャーを楽しむのがおすすめです。山や川、マングローブと言ったフィールドをトレッキングやカヤックで満喫すれば、西表島の大自然の素晴らしさを実感できるはず。
ダイビングの中心地である島の北側なら、沖縄県一の落差を誇るピナイサーラの滝へのカヌー&トレッキングツアーが人気があります。また、7月の期間限定ではありますが、早朝の川面を流れる幻想的で美しいサガリバナを見ることが出来るツアーがあり、これを目当てにダイビングの時期を決める人がいるほどです。
なお、山や川のツアーに関してはネイチャーガイドのショップにツアーの予約をするのが一般的で、慣れない人達で西表島の山に入るのは大変危険です。
自然以外には何もないというのも、西表の良いところですので、ダイビング後の夕方にビーチや港でのんびりビールを飲んだりするのもいいかもしれませんね。
おすすめのお土産
トロピカルフルーツ
西表島の主な産業は農業と観光業で、パイナップルやマンゴーなどのトロピカルフルーツが有名です。
味の良さは誰が食べても分かるほどで、しかも島内での価格は内地で購入する場合の半分ほどで済んでしまいます。
各農園で全国配送のサービスもしているので、お土産で送ったり、毎年自分用に取り寄せている人も多いです。
ちなみに、マンゴーは6・7月頃、パイナップルは5~8月頃が狙いめ。
西表島の気温・水温・スーツの目安
気温の目安 | 水温の目安 | スーツの目安 | |
---|---|---|---|
12-2月 | 17-22℃ | 22-24℃ | フルスーツ5mm+フードベスト |
3・4月 | 22-24℃ | 24-25℃ | フルスーツ5mm |
5-9月 | 27-32℃ | 26-30℃ | フルスーツ3or5mm |
10・11月 | 25-27℃ | 25-27℃ | フルスーツ5mm |
アクセス
出発空港 | 到着空港 | バス | フェリー |
---|---|---|---|
羽田・関空・中部・福岡(夏期のみ)からの直行便 | ⇒石垣空港 (1日1・2便) | ⇒バスで離島ターミナルへ | 安栄観光フェリーor八重山観光フェリー⇒西表島上原港 (1~2時間に1便) |
那覇空港経由便 | ⇒那覇空港⇒石垣空港 (毎日複数便/1時間) |
西表島へは石垣島から1~2時間おきにフェリーが出ています。上原港行き(40分)と大原港行き(35分)があり、ダイビングをする場合は上原港でOK。
北風が強い場合などは上原港行が欠航するため、上原港行きのチケットを買った上で大原港行きに乗船し、到着後船会社のバスで上原地区へ移動になります。
旅行業界は格安化が進み、ダイビング旅行に関しても自己手配よりも旅行社利用の方がリーズナブルな場合が多いです。沖縄の中でも遠くになる西表島ですので、手配の面から考えても旅行会社の利用をおすすめします。