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ダイバーがそれぞれの器材を選ぶには理由があります。
他のダイバーと出会うと、「どんな器材を使っているのか?」「なんであのメーカーの器材なのか?」と気になる人も多いでしょう。
ここでは、参考までに私が現在使っているダイビング器材と、その良いところをご紹介したいと思います。
ダイビング器材のおすすめ基準は?
各ダイビング器材メーカーからたくさんの機種が出ていて、しかもその多くが優れた製品なので、皆さん正直選ぶのが大変ですよね。
私自身、自分のダイビング器材は良い品だと思っているからこそ使っているわけで、それぞれの器材にちゃんとおすすめのポイントがあります。
人によって器材に求める部分は少しずつ違うはずですが、私の評価が、皆さんの器材購入の一つの目安になればと思います。
ダイビング器材を評価するときのポイント
私が自分のダイビング器材を買うときには、次の3つのポイントを基準に良いものを選んでいきます。
- ガイドとしての使いやすさ
- 価格
- 見た目
ガイドとしての使いやすさ
私は仕事でダイビングをするため、ゲストのケアをする際に邪魔にならないもの、シンプルに使えるもの、ゲストのためにもなるもの、という視点から使いやすい器材を選びます。
純粋な使いやすさはもちろん大事ですが、まずはゲストがいる状況を想定した時に使えるかどうかが判断基準ですね。
価格
ダイビングインストラクターはゲストよりも貧乏な場合がほとんど。プロだとしても高い器材ばかりは買えないわけで、なるべく安くて良いものを選びます。安いものはシンプルでもあり、それが良いことも多いです。
とは言え自分の命を預ける商売道具ですから、何でもかんでも価格重視にはなりません。私の場合だと、レギュレーターとBCDに関しては特に価格の安さは求めません。
見た目
何だかんだ言って見た目は大事です。意識的にも無意識にも、ダイビング器材にファッション性や自分らしいデザインを求めている人は私だけではないでしょう。
また、私はインストラクターとしての見栄も手伝って、プロとしてカッコ悪い器材は使えないと思っています。
俺のレギュレーター
まずレギュレーターですが、SCUBAPRO MK25/S600 DEEP BLUEを使っています。
レギュレーターのシステムは2タイプ(バランスドピストンとバランスドダイヤフラム)に分かれるのですが、Sプロのレギュレーターは基本的にバランス°ピストンタイプ。シンプルでトラブルが起きにくい構造なのですが、それより材質やデザインが気に入っています。
セカンドステージにチタンを使うことで重量が軽くなるので、口にくわえた時にとても楽です。安全確認のために周りをキョロキョロすることが多いのですが、その時セカンドに感じる抵抗がだいぶ少ないですね。耐腐食性もあります。
ファーストステージは真鍮製なのですが、摩耗や亀裂、腐食への耐性を強めるコーティングがされていて、多少荒っぽくガツガツ使っていてもほとんどキズが目立ちません。
また、コーティングの色が機種名にもあるようにディープブルーなので、他のダイバーと比べてオリジナリティーを出すことが出来ます。器材がたくさん並んでいても見つけやすいですしね。
ちなみに暗めで渋い青色なので、他の器材の色と合わないということはないです。後述する通り私は赤色の入ったBCDを使っていますが、変な感じにはなっていません。
なお、空気の吸いやすさに関しては、今の時代の日本で売られているものならば、まずどれもトップレベル。内部の調整が普通に出来ていれば、吸いにくいなんてことはありません。
俺のBCD
私のBCDはREYSON X11-j RED MODEL AACS-Iです。REYSON(レイソン)はSASが扱う本格派BCDのブランドですね。
とにかく耐久性が抜群なのと、プロ受けする本物感が好きで使っています。ちょっと重たいのは難点ですが、慣れてしまうと他のBCDが軽すぎて逆に使いづらく感じますね。
見た目ですが、高強度ナイロンをポリウレタンでコーティングしているので、真っ黒でツヤがある感じ。他社のほとんどのBCDが接着剤による加工なのに対し、REYSON X11-jはその生地を高周波溶着機で圧着するという加工方法で作られています。
素材や製法の違いを言われても、ほとんどのダイバーはイメージが湧かないと思いますが、もう一般的な家と核シェルターくらい信頼度の違いが出てくると私は思っています(笑)。
実際、エントリー&エキジット時に波が巻いていて、岩場でBCDをこすることがあってもビクともしないです。また、長時間直射日光を浴びても(やむなくです)劣化を感じさせません。
あと、講習時などに水面で直立姿勢が取りやすいので、BCDは肩ベルトタイプでは無くて、RAYSONのようなジャケットタイプがいいんですね。
ベルトで調整が出来ないので、購入時にしっかりサイズを検討しなければいけませんが…。REYSONの場合なら、身長160cm台はS、170cm台はM、180cm以上はLorXLでいいと思います。
なお、私は見た目のアクセントが欲しくて、縁が赤いレッドモデルを使っています。シンプルな真っ黒の通常モデルもカッコいいですよ。
俺のウェットスーツ
ウェットスーツは昔からお世話になっているスーツ屋さんで、フルオーダーして作ってもらっています。
漁師さんや作業ダイバーの方も利用するお店なので、思い切り業務用の仕上がりですが、高品質&低価格なので変えるつもりはありません。
ウェットスーツは消耗品なので、どうしてもコストパフォーマンス重視になってしまいます。職業柄、毎年新しいものを発注しなければ間に合いません。
基本的にいつもジャケット+ロングジョンの組み合わせで、生地は5mmの両面スキンで裏面をリペルサーモ仕上げにしています。
イントラと言うとロクハン(6.5mm)のイメージがあると思うのですが、動きにくくなるのが嫌で5mmを愛用しています。
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俺のマスク
マスクはTUSA プラチナ M-20を使っています。マスクもウェットスーツと同じく消耗品と考えているので、なるべく低価格で使いやすいものを選んでいますね。買い替えは2年に1回くらいです。
2眼のマスクなんですが、真ん中のフレームが薄く、1眼並みに視野が広く作られていて視界が良好。1眼のマスクは視界が広いんですが、やたらと大きいものも多く、流れがあるポイントで感じる抵抗がハンパない場合があります。
プラチナM-20はコンパクトさと視界の良さを上手く両立していて、なおかつ安いので嬉しい限り。
マイナスポイントとしては、古くなってくると、ちょっとした衝撃でフレームが外れやすくなることです。急いでいてマスクを軽く投げるような感じで置くと、フレームがズレていることがあります。水中で外れたことは無いので別にかまわないんですけどね…。
俺のスノーケル
スノーケルはGULL カナールドライSPを使っています。
各メーカーの最新モデルだと、多少水が浸入してきてもそのままで呼吸しやすいように、排水室が大きいもの(例えばGULL カナールステイブル)が主流になっているんですが、個人的にはカナールドライのようなスリムタイプが好きです。
スノーケルをくわえている時はスピーディーに泳ぐことが多いので、口元に大きいパーツがあると若干抵抗を感じてしまうんですね。それに、私はちょっとでも水が入っているとすぐにスノーケルクリアをしてしまう人なので、排水室が大きいことにメリットが感じられないのです。
あとはパイプの芯の強さ(硬さ)も好きですね。素潜りをして浮上する時に、水の抵抗でブレたり折れてしまうことがありません。
ジャバラ部分が実は左右非対称で、内側(顔側)に曲がりやすくなっているのもGULLのスノーケルの特徴ですね。ただこのため、パーツをバラして洗った後などは、ジャバラの向きを確認して組み立てるように注意が必要です。
俺のフィン
フィンは特にこだわっている器材で、SCUBAPRO JETFIN(ジェットフィン)とGULL ハードミューを併用しています。
どちらも硬めのフィンですが、ジェットフィンの方は段違いに重く、硬いです。使い始めてしばらくは足が疲れるダイビングが続くと思います。ブーツを履く場合にはジェットフィン、ボートや砂がサラサラのビーチでダイビングをする時にはハードミューですね。
しかし、その扱いづらさを上回るパワーや安定感が魅力なんですね。体験ダイビングでゲスト2,3人の手を引いて泳いでも、ジェットフィンの推進力でぐいぐい押し切ることが出来ますし、少々姿勢が崩れても足先を微妙に動かすだけで体勢を戻すパワーが得られます。
Sプロからは新世代のSCUBAPRO JETFIN REVOも出ているのですが、私はオリジナルのジェットフィンが好きなので、廃版にならない限りモデルチェンジはしない予定です。
REVOの方はさらに推進力がアップしている感じなんですが、キールを増やしているので、あおり足などでスライド動作が大きくなると乱流が生まれやすい気がするんですね。
ハードミューの方はジェットフィンと比べるとだいぶ軟らかいんですが、それでもフルフットのフィンの中では腰がある方です。
はじめは(10年以上前ですが)ノーマルミューを使っていたんですが、一度ハードミューに買い替えたら、ノーマルでは物足りなくなり、戻れなくなってしまいました。
フルフットで、フィット感と蹴りごたえを両立しているフィンっていうのがハードミュー以外ほとんど無いんですよね。ハードミューは硬めなのに楽、硬いのに軟らかく感じるという、ある意味矛盾を上手いところで実現してしまった感があります。
また、ストラップフィンよりはフルフットタイプの方が好きなので、可能な限りはジェットフィンよりハードミューを選んでいます。やっぱり足との一体感ですね。
俺のダイブコンピューター
ダイブコンピューターはSUUNTO ZOOP(ズープ)を使っています。
SUUNTOはダイビングだけでなく様々なフィールドで使える高機能コンピューターを作っていますが、ズープはいたってシンプル。
でも、個人的にはそのシンプルさが好きなので愛用しています。自分自身の安全管理をする器材なので、視認性が良くて、必要な情報がすぐに手に入るということが大事かなと。
シンプルと言っても、浮上速度メーターやナイトロックスモード、アルゴリズムの調整機能(3パターン)など、あると助かる機能はしっかり付いています。
さすがに、3Dデジタル͡コンパスとか○種類のガスに対応とか、エアーインテグレーション(トランスミッターからデータを受信して残圧表示する機能)はありませんが、そこまで要りますかね(←負け惜しみ)。
これらの高機能は、あと10年くらいすれば低価格で標準装備されると思うので、ゆっくり待ちましょう。もちろんお金があれば欲しい最高の機能ですので、余裕のある方はSUUNTO DXあたりをご検討されると良いと思います。
最高位の機種を本当にさりげなく、何のアピールも無く使っているオジさまはカッコいいですよね。
俺のカメラ
愛用カメラはCanon PowerShot G16です。
Canonのコンパクトデジカメですが、一眼レフユーザーからも高評価を得る本格派の高性能モデルなのです。
私の場合は、「良い写真も撮りたいけど、あくまでメインは動くダイビング」という考え方なので、性能と取り回しの良さを両立したG16に落ち着いています。ゲストと一緒に潜ることがほとんどですしね。
詳しいレビューは、初心者におすすめのカメラ・ハウジング・ストロボ・レンズのページで紹介していますので、カメラにも興味がある方はそちらもご覧ください。
俺のその他小物・アクセサリー
小物、アクセサリー関連でこだわりがあるのが次の3つ。
- シグナルフロート
- クエスト
- フェルトブーツ
その他については、基本的にこだわっていません。欲しい時にすぐ手に入るものや、何となくインスピレーションを感じたものを購入していますね。もちろん、手入れや保管については気を遣っていますよ。
では、上記3点について説明しましょう。
シグナルフロート
シグナルフロートはエマージェンシーグッズの代表ですね。いつもSCUBAPRO マーカーブイを使っています。ケースとフロートが一体でコンパクトにまとまるところ、またリーズナブルな点が魅力ですね。
これはよく使う人にしか分からないのですが、フロートはかなりの消耗品なのです。私はドリフトダイビングでよくフロートを使っていて、1シーズンに1度は必ず交換していますね。
まぁ、小さな穴が空いて少しずつ空気が漏れるくらいなのですが、ドリフトのエキジット時では無く、本当の緊急事態で使うことを考えたら、いつでも良い状態にしておきたいですからね。
シグナルフロートに限らず、エマージェンシーグッズは使い方を知った上で、いつも携帯しておくべきですよ。
参考ページ:
クエスト
クエストと言うと分からない人がいるかもしれませんが、インストラクター達が持っている磁石式の水中ノートのことです。クエストはTUSAが販売している商品名そのものですね。
このクエストも消耗品で、ガイドレベルで使っていると1シーズンで終了してしまいます。
水中ノートは何種類かありますが、私はTUSAのクエスト以外考えられません。そのくらい使いやすいです。大きさも適当ですし、BCDに合わせて色々な収納の仕方をアレンジできるのも良いところですね。
ただし、物によって文字が薄くしか書けないことがあるので要注意。
フェルトブーツ
ブーツは毎回履くわけでは無く、砂浜(いわゆる本当のビーチ)以外からのビーチエントリーでのみ使用します。
このブーツも少しこだわりがあって、必ずソール(靴底)がフェルト素材のもの、つまりフェルトブーツを使っています。なぜならラバーソールのブーツよりも断然滑りにくいからです。コケむした岩場の波打ち際などを歩けば、その差は一目瞭然。
女性やシニアのゲストをエスコートしながらエントリーする際は、波でバランスを崩したゲストを支えて踏ん張るため、足元のグリップが効かないと話になりません。
特に気に入ったメーカーがあるわけでは無く、在庫状況などで決めています。例えばGULL フエルトソールブーツⅢなどがありますね。
まとめ
いかがだったでしょうか。まあ、器材は結局のところ自分の好みにも左右されるので、あまり参考にはならなかったかもしれませんが、とりあえずダメダメな器材は使っていない自負はあります。
一つ言えることは、自分の器材を大事に使っていたり、自分の器材こそがベスト器材と思って使っていた方が、確実に上達するということ。
ダイビングは道具(器材)を使うスポーツですので、「道具をどれだけ上手く使えるか?」が、そのままスキルになって表れます。
そして自分のダイビング器材に愛着やこだわりを持って使っていれば、それがスキルアップにつながっていくわけです。
自分が「愛」をもって使っていける。そんな器材をぜひ見つけて下さい。