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ダイビングをやってみたいけど不安がある…という人は、次のようなことを考えるかもしれません。
「ダイビング中に、マスク(ゴーグル)の中に水が入ってきたらどうするの?」
「潜っている時に呼吸器(レギュレーター)が外れたらどうしよう?」
体験ダイビングでは、実際に海でダイビングを始める前に、担当インストラクターからこうしたトラブルが起きた場合の対処方法について説明があります。対処法自体は決して難しいわけではありません。トラブルが起きても落ち着いて対応できるよう、事前の説明をしっかり聞いておきましょう。
ここでは、これから体験ダイビングに参加したいと考えている人のために、トラブル対処のスキルをいくつか紹介します。実際にインストラクターと向かい合って説明を受けるのが一番ですが、参考にはしていただけると思います。
口に水が入ったら…レギュレータークリア
ダイビングで使用する呼吸器材をレギュレーターと言います。
このレギュレーター、きちんとくわえていれば口の中に水が入ってしまうことはほとんどありません。しかし、くわえている唇が開いてしまうと、わずかな隙間から海水がレギュレーターや口の中へ侵入してしまうのです。そのまま呼吸をすると水を飲んでしまうわけですね。笑顔になったり(素敵なことですが…)、緊張して口に力が入ると口角が上がって来るので要注意です。
レギュレーターや口に入った水を外側へ出すスキルを、レギュレータークリアと言います。
レギュレータークリアのやり方
レギュレータークリアのやり方ですが、海水が口内に入ったという感じがしたら、口で「プッ」と強く短く息を吐きます。そうすれば、水はレギュレーターの排気弁を通って外へ排出されます。
ちょっと下品かもしれませんが、スイカや梅干しの種を遠くへ飛ばすイメージです。
このレギュレータークリアをはじめ、ダイビング中に水中で起こるトラブルは、ほとんどが潜ったままの状態で対応することが出来ます。
トラブルが起きたとしてもまずは落ち着くこと。慌てて水面に浮上することの方がハイリスクです。
呼吸器が外れたら…レギュレーターリカバリー
レギュレーター自体が口から外れてしまった時に、回収してくわえ直すスキルをレギュレーターリカバリーと言います。
レギュレーターが外れてしまうケースと言えば、水中の障害物にレギュレーターのホースが引っかかって強く引っ張られたり、他のダイバーが振り回した手が自分のホースに引っかかった時など、事例としてはかなり珍しくなります。
上で紹介したレギュレータークリアと比べると、必要な場面はかなり少なくなりますね。体験ダイビングのツアー中にレギュレーターリカバリーをすることになる確率はとても低いのですが、自分の身に何が起きるかは分かりません。油断せずに覚えておくべきでしょう。
レギュレーターリカバリーのやり方
レギュレーターはタンクを背負った時に体の右側にあるはずなので、それが外れてしまった時は右手を使って右側を探していきます。
右肩を下げて右腕を大きく回すのが基本の動き。右足のモモ、腰を手でさするように、右腕を前→下→後→上の順に一周させ、また前まで持ってきます。
腕を一回転させれば大抵の場合レギュレーターは右腕のどこかに引っかかっているはずです。脇の辺りにホースがかかっている場合、マスクをした状態では視野に入らないことも多いので、脇の辺りも目視が必要です。
レギュレーターをくわえなおしただけでは、まだ内部に水が入っているので呼吸は再開できません。必ずレギュレータークリアをして器材内部の海水を外へ出してから息を吸うようにしてください。
マスクに水が入ってきたらマスククリア
スキューバダイビングでは、ゴーグルのことをマスクと言います。これはマスクが単純なゴーグル(水中メガネ)ではなく、広い視野を確保でき、鼻も覆われるものであるからです。
このマスクの内側に水が侵入してしまった場合に、水を外へ出すスキルをマスククリアと呼んでいます。
マスク内に水が入る原因はいくつかありますが、例えば、レギュレーターと同じで水中で笑い過ぎたり表情がくずれると、口元にシワが出来るためマスクと顔の間に隙間が出来て水の浸入を許してしまいます。
マスククリアのやり方
やり方はまず、水がマスク内に入っている状態でフレーム(縁)のおでこの辺りを押さえます。そしてフレームをおでこに押し付けながら、口で吸いこんだ空気をゆっくりと鼻から出します。すると、マスクのスカート部分、鼻の下側辺りに少しだけ隙間が出来、そこから水がマスクの外へ排出されます。
ポイントの一つは鼻息のスピード。急いで鼻息を出すよりも、ゆっくりの方が効率良く海水を抜くことが出来ます。そして顔の向きは正面か少しだけ上向きにした方が、余計な水が残りにくくなります。
マスククリアはマスクと顔の間に隙間が空くので、「逆に水が入りそう」と心配する人もいますが大丈夫。正しく出来ていれば(多少失敗していても)水は外へ出るだけで、入ってくることはありません。
参考ページ
既にダイビングを始めている方向けの内容ではありますが、ご興味があれば読んでみてください。
ダイビングスキル上達法-レギュレータークリア&リカバリー-
ダイビングスキル上達法-マスククリア-
最初にも述べた通り、実際に担当インストラクターから直接指導を受けるのが一番ですが、事前にトラブル対処法の存在を知っておくことで、体験ダイビングに参加する心の準備が出来るのではないでしょうか。
また、インストラクターは優しい人ばかりだと思いますので、当日の説明でも分からない事はどんどん聞いてみましょう。トラブル対処のスキルにしても、それぞれのインストラクターでこだわりのポイントがあるはずです。